「女性の力」が表彰台を飾る、ディオール 2024-2025年秋冬オートクチュール コレクション

2024.06.26に投稿 • 2分
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パリ2024オリンピックの開幕を目前に控え、マリア・グラツィア・キウリが発表したのは、身体の美しさを讃えるオートクチュール コレクション。古代から現代に至るまでのスポーツの影響と、競技におけるジェンダー平等という政治的なビジョンが、コレクション全体を通して共鳴しています。      

会場で視線を捉えたのが、チャーナキヤの職人たちによって再現された、アーティスト、フェイス・リングゴールド (1930年~2024年) のモザイク作品です。女性アスリートたちが描かれたカラフルな背景が、ランウェイに登場したモノクロームのシルエットと見事な調和を演出。ディオール ウィメンズ コレクションのクリエイティブ ディレクターにとってのお気に入りのテーマである「女性の身体の自由」が、今回も重要なポイントとなっています。マリア・グラツィア・キウリは、ゴールド、シルバー、ホワイトのメタルメッシュとしてクチュールの世界にジャージーを採用し、身体のフォルムをやさしく包み込んでいます。ルックに構造を与えるのが、超軽量のインナービスチェ。スポーツジャージも金箔やマイクロスパンコールで飾られています。   

プリーツとドレープが多くのアイテムで登場する一方、スカートは歩くたびに下に履いたパンツが現れ、フリンジが躍動感を増幅させます。まるで布地によって身体の彫刻が作られたように見え、刺繍によって引き立てられているシルクのドレスは、彫像を想起させます。このコレクションではまた、古代ギリシャを思わせるペプラムがコンテンポラリーに表現されています。さらに、グラディエーター サンダルを履いて、今の時代に蘇った、古代ギリシャ神話に登場する伝説の女戦士部族「アマゾーン」たちが、サテンのトリミングをあしらった透明なメタリックのタンクトップを露わにする、ワンショルダーのドレスを着て、ランウェイを闊歩。刺繍であしらわれたミニミラーがモアレ効果のあるモザイクと呼応し、ゴールドの生地は貴金属の溶解液を連想させます。クリスチャン・ディオールが「生命の色」と称した赤によって際立つドレスが、今回の身体の祭典の頂点に立っています。  

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