LVMH、各メゾンのブティックにおける環境への優れた取り組みを表彰する「LIFE 360 イン・ストア・アワード 2024」の受賞者を発表

2024.12.13に投稿 • 2分

    LVMHが2016年に2年に一度の賞として創設した「LIFE 360 イン・ストア・アワード」は、独立機関による外部監査に基づき、環境パフォーマンスの改善に向けて最も優れた革新的な取り組みを行ったグループ傘下のブティックを表彰するものです。

    5回目となる今回のアワードでは、環境パフォーマンスの継続的改善を促進し、リテール空間をサステナビリティのモデルケースへと変革することを目指し、グループ内のブティックにおける最も先進的なサステナビリティプロジェクトに焦点を当てています。

    アントワーヌ・アルノー(LVMHイメージ&環境担当ディレクター)とエレーヌ・ヴァラード(LVMH環境開発ディレクター)のリーダーシップのもと、このアワードが、専門家、パートナー、従業員、業界リーダーたちを集結させました。これによって、LIFE 360サミットで立ち上げられた「Joining Forces」イニシアティブが体現する共創と透明性の精神に基づき、エコロジカル・トランジションを加速させるため、グループのリテール空間全体に最近導入された新しい取り組みやソリューションが共有されたのです。

    「私たちのブティックは、創造性、革新性、卓越性というLVMHのコアバリューを融合した、持続可能なラグジュアリーという私たちのビジョンを体現しています。当然のことながら、これには世界中にある6,000を超えるLVMH傘下メゾンのブティックの環境パフォーマンスを保証することも含まれています。各リージョンの有力なランドロードを含む主要パートナーとの連携が、特に気候変動対策において、私たちの環境への取り組みを実施することを可能にしてくれています。」(LVMHイメージ&環境担当ディレクター、アントワーヌ・アルノー)

    LIFE 360 イン・ストア・アワード 2024:

    2年ごとに開催される「LIFE 360 イン・ストア・アワード」は、LVMH傘下の全メゾンを対象とした社内コンペで、リテール空間に対する環境への優れた取り組みを表彰するものです。ブティックで実施されたプロジェクトやイニシアティブが、独立した外部監査機関であるTERAOにより、50の具体的な基準に基づいて評価されます。

    2024年度の各カテゴリーの受賞者は以下の通りです。

    • 最優秀環境ブティック賞(ブティック・オブ・ザ・イヤー):パルファン・クリスチャン・ディオール K11店(中国、香港)、8つのカテゴリーすべてでベストスコアを獲得。
    • コラボレーティブ・ガバナンス賞: ブルガリ 瀋陽店(中国)、ステークホルダーとの緊密な連携による環境目標のプロジェクト管理戦略への統合が認められて。
    • スマート・ビルディング・ファサード賞:ブルガリ モンテナポレオーネ通り店(イタリア、ミラノ)、気候レジリエンスと最適な自然光のバランスが取れた建物のデザインが認められて。
    • エナジー・シナジー賞:セリーヌ ソウル店(韓国)、直接CO2排出量の削減に重点を置いた優れたエネルギー・マネジメントが認められて。
    • ウォーター・スチュワードシップ賞:ルイ・ヴィトン クアラルンプール店(マレーシア)、技術面と店舗運営の両面での持続可能な水管理の実践が認められて。
    • ライティング・ザ・ウェイ賞:パルファン・クリスチャン・ディオール K11店(香港)、環境への影響を大幅に削減しながら、ブティックのエネルギー消費量の約半分を占める照明の最適化を目指す、エコ・レスポンシブルなデザインが認められて。
    • ザ・エアー・ウィ・シェア賞:セリーヌ ソウル店(韓国)、従業員と顧客のための室内空気質の測定・改善に向けた具体的な取り組みが認められて。
    • サステナブル・バイ・デザイン賞:ル・ボン・マルシェ エスパス・ビジュー(フランス、パリ)、FSC認証木材の調達や、店舗のライフサイクル終了時にリサイクルを容易にすることを目的としたデザインなど、持続可能な素材の使用と内装建築における家具・備品の再利用が認められて。
    • スマート・メンテナンス賞:ルイ・ヴィトン クアラルンプール店(マレーシア)、ブティックのライフサイクル全体を通して環境パフォーマンスを向上させたことが認められて。

    今回のアワードではさらに以下の4つのカテゴリーが新設されています。

    • シェアード・ウェルビーイング賞:セフォラ(フランス)、リテール空間のインテリア・アーキテクチャの質だけでなく、従業員のウェルビーイングを最大限に高めることを目指したバックオフィスの配置にも配慮したアプローチが認められて。
    • ラーニング・トゥ・インパクト賞:ル・ボン・マルシェ、環境問題に対する従業員研修が認められて。この取り組みは、グループおよび各メゾンの戦略にも反映され、研修を受けた従業員の割合と使用された研修方法の多様性という2つの指標によって測定されています。
    • ポップアップ・ウィズ・パーパス賞:セリーヌ 無錫店(中国)、構造物や家具・備品の再利用やリサイクルを取り入れる能力が認められて。この点において、同ブティックのポップアップ活動は特に戦略的なものとなっています。
    • ウィンドウ・イン・トランスパレンシー賞:ビジュアル・マーチャンダイジング(VM)の責任ある使用が認められ、ルイ・ヴィトン カントンロード 5店(中国、香港)とブルガリ モンテナポレオーネ通り店(イタリア、ミラノ)が共同受賞。その一時的な性質を考えると、VMはブティックのエコデザインにおける重要な課題となっています。今年、LVMHはウィンドウディスプレイの環境負荷を低減するという課題に対処するため、12の具体的な基準を設けました。

    こうした表彰に加えて、LVMHは環境へのポジティブな影響を高めるための取り組みを体系化することも続けています。

    持続可能な建築物の建設と運用に特化した「LIFE in Architecture」ガイドは、現在、ウェブサイト LVMH.com 上でオープンソースとして入手可能です。2015年の作成以来、絶えず進化を続けるこのガイドは、不動産プロジェクトの開発と評価における基盤となっています。外部のステークホルダーを含むあらゆる人々がこのガイドにアクセスできるようにすることで、LVMHは、ベストプラクティスの共有アプローチを採用し、建物やブティックのエコデザインという課題に対して、競合他社を含む業界全体をインスパイアし、団結させることを目指しています。このイニシアティブは、「Joining Forces」の精神とも完全に軌を一にしています。

    また、パリ・グッド・ファッションと提携し、LVMHは、ブティックのエコロジカル・フットプリントを低減する12の具体的なソリューションを紹介する「ベスト・プラクティス・ガイド」の出版を支援しています。この簡易版教育ガイドは、パリの特定の分野(セクター)で活動する人々にインスピレーションを提供し、導いていくことを目指しています。イニシアティブを共有するというコミットメントを守り、LVMHは、このガイドがパリ・グッド・ファッションのウェブサイト(ParisGoodFashion.fr)で自由にダウンロードできるよう協力しています。

    グループはさらに、11月6日、上海で開催された中国国際輸入博覧会(CIIE)において、太古地產(スワイヤー・プロパティーズ)との戦略的パートナーシップ契約を締結しました。持続可能な開発に関してテナントとランドロードとの間で締結されたものとしてはかつてないほどに野心的なものであるこの契約は、中国本土および香港特別行政区における約5万平米の商業・オフィススペースを対象とし、2027年末まで効力を有しています。スワイヤー・プロパティーズは、オフィス、ブティック、ダイニングエリアを対象とした3つのプログラムを通じて、LVMHの各メゾンの空間変革をサポートします。また、15の持続可能性基準をプロジェクトの検証プロセスに統合するため「エコデザイン・チェックリスト」も特別に作成されました。この契約は、恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ)およびマイアミ・デザイン・ディストリクトとの既存のパートナーシップを補完するものとなります。

    加えて、「ユニティ・フォー・チェンジ」イニシアティブには、現在、UAE地域における具体的な測定可能目標が含まれています。こうした取り組みが、CO2排出量の大幅な削減を目指すというグループのグローバルなビジョンにローカルの慣行を一致させることによって、LVMHが環境に及ぼすポジティブな影響を強めています。2023年12月のCOP28で発足したこのコンソーシアムには、シャルーブ・グループ、エマール・モール、アルダー・プロパティーズ、マジド・アル・フッタイム・グループなど、アラブ首長国連邦の主要リテール業者の大半が参加しています。グループは、パリで開催されたLIFE 360 イン・ストア・アワードで、以下の3つの主要テーマに焦点を当てた、測定可能な目標を発表しました。

    1. エネルギー効率:

    2024年以降、すべてのショッピングモールにおいて、年間5%以上の省エネまたはCO2排出量削減を達成します。

    主要業績評価指標(KPI)には、2030年までにビューティーブティックで、2026年までに非ビューティーブティックで、それぞれエネルギー消費量を300kWh/m²にまで削減することが含まれています。

    1. エコデザイン:

    ブティックのリノベーションや新規プロジェクトにエコデザイン・チェックリストを導入し、エネルギー効率の高い照明や揮発性有機化合物(VOC)を含まない素材の使用など、厳格な持続可能性基準への適合を確実なものとします。

    1. 廃棄物管理:

    2030年までに、LVMHとシャルーブ・グループは、埋め立て廃棄物をゼロに、エマール・モール、マジド・アル・フッタイム・グループ、アルダー・プロパティーズは50%削減を目指します。

    2026年までに廃棄物管理プロセスをデジタル化し、すべての物件にトレーサビリティ・システムと標準化されたリサイクル・ポリシーを導入します。

    こうした措置や主要なステークホルダーとの協力が、エネルギー効率と循環性において目に見える成果をもたらします。このようなイニシアティブが組み合わされることで、LVMHが業界をより持続可能な未来へと導き、建築革新の限界を押し広げ、ラグジュアリー業界における新たな基準を打ち立てるというコミットメントが示されています。

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